「夢中になるよ」アマミヤ

あらすじ

一卵性の双子の兄である十和は、性格真逆で喧嘩っ早く、破天荒だが人気者の弟・大和に劣等感を抱いていた。ある日、地元のヤンチャ集団「G・GOLD」に大和と勘違いされ絡まれてしまった十和。間一髪のところをメンバーのという青年に助けられるが、彼は見た瞬間に十和と大和の区別がついていた。生まれて初めて「自分」を見てくれた滿のことが気になる十和だったが……!?

桂十和

一卵性双子の兄
大和に劣等感を抱いている

一色満

ヤンチャ集団「G・GOLD」のメンバー
父親はおらず母親とは疎遠

桂大和

一卵性双子の弟
喧嘩っ早く目立つ存在

レビュー

一卵性の双子の十和と大和。互いの容姿はそっくりだが、性格は正反対の2人。
見分けられる人も少なく告白さえ間違えられる始末だが、大和が起こした喧嘩がきっかけで人違いの報復にあった十和を助けてくれた満は何故か2人を見分ける事が出来る人物だった。

自分と同じ容姿の人間がいて、片方は目立つ存在。十和が内面的な気質になってしまうのもわかるな。
だからこそ自分たちを見分けわれる満に強い興味を抱くのは当然のことで、満もまた母一人子一人の家庭環境、ネグレクト状態で育ちどこか心に翳りを抱えた状態で生きてきたんだろうな・・・

十和と満、大和が起こした喧嘩騒動で繋がりを得た2人。満の事を知るにつれ友人以上の感情を抱いた十和が気持ちを伝えた時の満の反応良かったなぁ。
拒絶をするわけでもなく関係を断ち切るわけでもなく、「わかったら言う」優しい返事だと思う。

十和が満の存在に惹かれた様に、満もまた母親との関係の寂しさや孤独に十和の優しさが響いたんじゃないかなと思うと、お互いを救済するような物語は満足感があります。
アマミヤ先生の優しい絵のタッチも相まって、最後は安堵出来る作品でした。

気になった方は是非読んでみてね