「ブルースカイコンプレックス(9)」市川けい

あらすじ

肩が触れる。当たり前じゃない、特別な距離。
アルバイト先の学習塾生徒の兄・柊真が喧嘩で行き倒れているのを見かけ、放置も出来ず介抱してからなんだか懐かれてしまった寺島。
そのことは特段気にしていなかった寺島だったが、楢崎も「ハジメテの相手」であるみのりと自分の知らない何かがあったと知り胸がざわめく……。
相手を信じているからこそ聞けない、言えない…。

楢崎元親

夏生一筋
みのりを何かと気にかけている

寺島夏生

元親一筋
塾講師のアルバイト中

レビュー

今作で9冊目、シリーズ合わせると11冊目になります。
7,8巻では少し物語がマンネリ化しているかなと感じていましたが、9巻で2つの視点が進展し時間の進みを感じました。

まず夏生と柊真くん。夏生への恋心からあの手この手で近づこうと感心を惹こうと頑張りますが、夏生の気持ちは元親一筋。叶うはずのない恋でも若さ故に一直線に思いを伝えたいと頑張る姿に青春を感じて、応援したくなりました

そして元親とみのりさん。元親くんの家庭教師であり初めての相手だった彼女。
私はその過去からみのりさんの姿の見えない想い人の存在を勝手にそうだろうと決めつけていましたが、まさかの・・・そうだったのかと。
ただ、みのりさんが最後に選んだ道は自分の思いを叶える道ではなかった結末が物語にリアリティを与えていて、良かったなと思いました。この結末は、賛否ありそうだけど。

次はとうとう2桁の10巻!楽しみです

気になる人は是非読んでみてね